CANNONBALL RUNNING 感想 水樹奈々は走る!
3年ぶりのオリジナルアルバム。タイトルのとおり水樹奈々は走り続けていた。
以下気になった曲の感想。
01.Higher Dimension
アルバムの一曲目に相応しい明るい曲。リバースシンバルとマーチングドラムからなるイントロはまさに"始まり"を期待させる。メロに入ると一転して軽快なリズムで思わず走り出したくなる。
vo.の最高音も高く、のっけから飛ばすな~といった印象。2:33という短い時間ながらとても満足感のある楽曲。
02.カルペディエム
ボカロ風ダサロック
ゴージャスなピアノフレーズとバイオリンのトレモロが印象的。
vo.は音が詰め込まれていて忙しない、キメは多い、ジャジーなフレーズもある。色々とごった煮にされながらも絶妙なバランスで成り立っている。
大正時代の帝都東京をスニーカーで走る抜けるような楽曲。
03.Love Fight!
Future House?、Big Room?、Twerk?
サブジャンルがよくわからない。かなり重めなEDM。
これまでの水樹奈々のダンスミュージックはGimmick GameやPARTY! PARTY!のような 華美で都会的なサウンドが多かったが、この曲はEMDらしい下品でエグい音が全面に押し出されていて魅力的。
04.DAYBREAKERS
アップテンポで音数の多いデジタルロック。水樹奈々らしい一曲。
05.Knock U down
先行で聴いたときから驚きを隠せなかった。これをリード曲にしたのは英断と言わざるを得ない。
最近80年代シティポップのリバイバルされているがまさかのオールディーズ。
あまり耳に馴染まないファンも多いかもしれないが、ライブでのコール&レスポンスにも新しい雰囲気が生まれそうでそれに期待。
MVのアス比が4:3になっているのは芸が細かい。エレピがWurlitzer(多分)なのも◎。
07.Sweet Dealer
こちらもセクシーなエレピが印象的。ベースとユニゾンで刻んでるギターも小気味いい。サビのストリングスとコーラスは艶っぽくレトロな雰囲気。
09.マーガレット
ほぼアコギのスラム奏法のみという思い切った曲。間奏ではストリングスが入ってくるが、演奏風景を想像すると非常に心穏やかになれる。
この曲をライブのセットリストにどう組み込んでくるかとても気になる。
11.glitch
ギターの掛け合いがかっこいいオルタナティブ・ロック。
マイルドな凛として時雨といった印象。是非ヘッドフォンで聴いてほしい。
ここに来て気がついたが水樹奈々は歌い方の幅がかなり広がったように思う。この曲ではいままでどこか演歌を感じさせていた水樹奈々節が鳴りを潜めており、不自然さを全然感じない。
13.Light Births Shadow
リバーブのかかったピアノの透明感はまるで水面が輝いているようで大好きなサウンド。さわやかな雰囲気にvo.のケロケロがいいアクセントになっていて気持ちがいい。
サビはキャッチーで耳に残る。このアルバム一推し曲。
15.UPSETTER
ファンが思う水樹奈々らしさが詰まった一曲。
16.ALL FOR LOVE
メロとvo.のパワーが凄い一曲。
とにかくメロの完成度が高く、vo.を聴かせようとする圧をひしひしと感じる。
サビではファルセットを多用しており、緊張感・切迫感がある。歌唱表現も非常に感情的で、歌詞も相まって愛とは覚悟することなのだと感じさせる重いラブソング。
17.FINAL COMMANDER -Aufwachen Form-
前の曲で終わっておけばよいものを終わりの先へ走り抜ける水樹奈々な曲。
1分近いイントロから叩きつけられるBPM=200のシンフォニックサウンド。
シンフォギアの集大成にして水樹奈々の全力全開。どこまでも本気だ。
以上、気になった曲とは言ったがほぼ全部だった。
3年前に発売となったNEOGENE CREATIONのときにも感じた攻めの姿勢が更に強くなっている。業界トップクラスの地位にいながらこれまでに無いジャンルへの挑戦を意欲的に行っている様は、ファンとしてとても嬉しく思う。
本アルバムを引っさげてのライブツアーが今から楽しみでならない。